公式ページの映像を眺めると、その場で草原を駆け巡りたくなってしまう。草原らしい草原は、この辺りにはないけれどバーチャルな草原を思い浮かべることはできる!
しかも、母さんが作ったウール地のスモックミニドレス、が突然頭にぽっかり浮かんできて、軽く動揺した。
ジョナサン・ウィリアム・アンダーソンは北アイルランド出身、1984年生まれのひとだ。俳優を目指して渡米、そこで「舞台衣装」に興味を持ったのをきっかけに、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションでデザインを学んだ。
現在、自身のブランド「JW Anderson」と「ロエベ」を率いている。過去には「トップショップ」や「ヴェルサーチ」のセカンドライン「ヴェルサス」などのコラボも多く手掛けた。
ユニクロとのコレクションは、2017年春夏からスタート、アンダーソン自身が、以前からユニクロのファンで、ユニクロのジーンズも履いているのは割と有名な話だ。
初めて「UNIQLO and JW ANDERSON」製品を買ったのは、2019年春夏発売のベルボトムジーンズだった。
わたしは1961年生まれ、ジーンズというモノを目にしたのは70年代で、髪のながーいヒッピー風のお兄さんたちが履いていたのがベルボトムジーンズだった。
75-76年の青春ドラマ「俺たちの旅」でも主演の中村雅俊さんが、ベルボトムジーンズに下駄で登場し、超絶カッコよかったけれど、まさにあのイメージである。
ジーンズ=ベルボトムな時代。なつかしい。その後、80年代、90年代と、ベルボトムどころかフレアジーンズは、店頭で見かけることがどんどん減っていった。
時は2019年、まさかユニクロでベルボトムジーンズに再び出会えるとは思っても見なかった。ところで、従来のベルボトムジーンズは、浅い股上、足のももから膝上までぴったり、膝下から裾にかけて文字通りベル🔔のように広がっていた。
2019春夏 UNIQLO and JW ANDERSONのベルボトムジーンズは、おへそが隠れるほどに、お尻をすっぽり包み込み、全体のラインは足に密着し過ぎないようなゆとりがあった。
それでいて、履くと明確にベルボトムのラインが浮き上がった。決して一部のマニア向けではなく万人に履けるよう考え抜かれたカタチであることを、履けば履くほど実感した。
時期を同じくして、UNIQLO and JW ANDERSONのシャツも3着買った。ホワイト2枚とブルー1枚、メンズオックスフォードシャツSサイズだ。
オックスフォードシャツと言えば、左ポケット付きのボタンダウンシャツがすぐに思い浮かぶ。
この2019春夏 UNIQLO and JW ANDERSONのオックスフォードシャツは、ポケットなし、レギュラーカラー、前立てなしだ。
ボタンダウンのオックスフォードシャツが苦手だったが、このシャツを着たことで、厚地でゴワッとしたオックスフォード生地の良さに気がつくことになった。
ユニクロの定番メンズオックスフォードボタンダウンシャツと比べると、やや大きめで、カラダに合わないシャツを着た時に感じるつっぱり感がない。
このUNIQLO and JW ANDERSON オックスフォードシャツを2019年の5月に購入以来、かなりの頻度で着込んでしまった。
ジョナサン・ウィリアム・アンダーソン自身のブランド「JW Anderson」やパリコレに参加している「ロエベ」 も気になって2020年と2021年の春夏コレクションを見てみた。
「ロエベ 」は1872年設立、皮革製品から出発したスペイン王室御用達のブランドだ。コレクションは、西洋服飾史の歴史と重みを背景に、伝統の皮革使いと変容自在な発想で展開されていた。観て楽しい、と、リアルクローズ、のバランスが好きだ。
「JW Anderson」「ロエベ 」「UNIQLO and JW ANDERSON」、ディテールの共通点も見つかった。アシンメトリーなスカートのヘムライン、リボン使い、明るく爽やかな色使いなど。
それぞれがどう違うのか、見たらわかるけれど、言葉でうまく言えない。でも私的に浮かんでくるキーワードは、儚さ、ガーリーっぽさ、少年っぽさ…
自由自在なファンタジーとクラフト精神を遺憾なく発揮しながら、一方で非常に現代的、地に足がついた着ることを並行して考えたリアリティな服作り。
いくつになっても、どこかでガーリーっぽさを失わないひとでありたい。影響されてしまった…
ところで、2年ほど着続けたUNIQLO and JW ANDERSON オックスフォードシャツは、だいぶクタッとしてよりカラダに馴染むようになった。あと10年は着られそうなんですけど。
参照元:2021春夏UNIQLO and JW ANDERSON
FASHION PRESS 2021春夏 JW Anderson