ほんとに 4月?と思えるくらいきのうは寒かった。夕方の時点で気温9度くらい、どしゃぶりで風が強い。
冷蔵庫にあれこれ入ってるし、大雨のなか外食する必要は全くなかったけれど、腹が減って腹が減って、近所の定食屋が提供するカリッと香ばしい揚げたて豚カツが、頭に浮かんで離れなくなった。昨日の夕食は1人だった。
買ったばかりのスキニージーンズも履きたかった。わたしは家でもジーンズを着る。買ったけど似合わない、けれど、履くことを諦められないユニクロUワイドフィットテーパードジーンズ、GAPメンズスリムジーンズ、クタクタになったリーバイスのブラックスリムジーンズなどだ。
スキニージーンズを家の中で履く人はいるのだろうか?ともかく、ブルーのメンズスキニージーンズ、ブルーのオックスフォードシャツ、ブルーのメリノウールセンター、ブラックGジャン、オールユニクロ、をせわしなく着こみ、
定食屋に向かったら定休日だった。当てが外れたわたしは電車に乗った。
二子玉川ライズは、バラエティに富んだレストラン、カフェが集結しており、さらに、高島屋に行けば、高級レストランもずらりと軒を連ねている。
でもわたしは、ほとんど行ったことがない。生来の貧乏性。上京して30年、好奇心と憧れに突き動かされて、その時代、その時代の知り合いに伴われて、虚栄心をくすぐられるようなレストランにも少しは行った。そういうレストランやカフェを日常使いすることに憧れを抱いた時期もあった。
友達と、カフェ、居酒屋、レストランで、多くの楽しい時間も過ごした。2020年の春、突如そういう日々がプツリと切断された。2022年4月現在、わたしの外食ライフはまだコロナ前には戻っていない。
外食は家族、もしくは1人でひっそり行くものになった。そうなると相手がいないから、本当に自分自身が食べたいものがあぶり出される。
グルメの範疇にあるレストランに今も昔もほとんど縁のない食生活ではあるけれど、たったひとつ言えることは、食べることに誠実でありたい、ということだ。食べることが大好きだけど、興味は食そのものより食べている人だ。
きのうトンカツ定食を食べはぐれたわたしは、二子玉川駅に着き階段を降りたらすぐ目につく立ち食い蕎麦屋に入り、天丼と蕎麦のセットを食べた。
仕事帰りに、小腹を満たすそば単品を食べている男性客がほとんどで、天丼単品の人が次に多かった。左目でスマホ画面、右目でどんぶりを見つめながら、ズルズル……かき込む音が響く。立ち食い蕎麦と言ったけれど実際にはテーブル席がメイン。わたしはこのスモールワールドが大好きだ。