2014年からはじまった「UNIQLO / INES DE LA FRESSANGE PARIS」が、2024年春夏でとうとう終わりになってしまった。
「UNIQLO / INES DE LA FRESSANGE PARIS」のアイテム6枚を持っている。
イネスのシャツはレディースなので、控えめなAラインが基本。女性は、ヒップが大きめな人が多い。メンズシャツと同じパターンにすると腰のところで引っかかってしまう。
女性がメンズのシャツを着る場合、上半身のサイズ感で選ぶと、いざボトムスと合わせると、ヒップのサイズに比してシャツの裾幅が足りないことがあり、見苦しくなる(ワタシのことです)。
一番目のボタンだけトリコロールのラインが入っている。
ガーリーなシャツブラウスの雰囲気に合わせて、後ろヨークにギャザーが寄っている。
コットン81%ナイロン19%のレースのモチーフが昭和チックなカーディガン。
リネンとナイロン混のサマーセーター。ナイロンが入ることで耐久性が加わり、こういうデザインのセーターってありそうで全くない。ひとめ惚れ。
ひととおりのアイテムはすでに持っているので、ひとめ惚れするほどのインパクトのあるアイテムしか、これからは買わないと思う。
「UNIQLO / INES DE LA FRESSANGE PARIS」コレクション終了にあたり、 イネス・ド・ラ・フレサンジュのインタビューで印象的なのは、
ファーストシーズンから変わらない信念は、流行にとらわれず、本物のスタイルを追求することです。直己と私は低価格で最高のものを提供したいと考えていて、毎回新しいものを作り直すのではなく、これからも残り続けるような服を作りたいと思っていました。スタイルやエレガンスは、裕福さと結びつくものではないということを、まず証明したかったのです。
参考: INES DE LA FRESSANGE UNIQLO フレンチ・シック最終章
そんな自らの言葉を証明するかのように、動画のイネスは、トロンとした生地のネイビーのスタンドカラーシャツを、手元のリング以外はノーアクセサリーで着ている。
ワザとらしさが微塵もない、素っ気なく感じられるくらいの恰好が、当たり前さ、普通っぽさ、シンプルさを、いっそう強調していて、言葉以上にスタイルが、雄弁に語っている。
UNIQLO / INES DE LA FRESSANGE PARISは、イネス・ド・ラ・フレサンジュと滝沢直己の共同作業だ。
滝沢直己さんは、ISSEY MIYAKE→独立→HELMUT LANGのメンズライン→美智子皇后殿下(現・上皇后陛下)の衣装デザイン2010~現在→2011年からユニクロに参加、等の経歴だ。
FNNプライムオンライン 上皇ご夫妻が4年ぶりの旅行 「職人さんによくお礼を」担当デザイナーが明かす“和の伝統”を施した美智子さまの服作り
毎回のコレクションは、イネス自身が普段着ているアイテムを中心に再現していて、ジャケット、カバーオール、パンツ、スカート、シャツ、セーターを中心にした構成だ。元々イネス・ド・ラ・フレサンジュのファンなので、その点に特に心を惹かれた。
イネスは、元祖スーパーモデルと呼ばれ、80年代に「シャネル」の専属モデル契約をして有名になった。その後、自身のブランドの立ち上げや多方面のブランドのプロデュース業を手掛けている。
デビューしたばかりの頃、ギリシャ彫刻を思わせるような人間離れした容貌で話題になった。近寄りがたいルックスとは反対に、飾り気のない人柄と率直なしゃべり方がイネスを一層チャーミングに見せた。
当時、中央公論社時代の雑誌「マリ・クレール」で、半日密着型のロングインタビューが組まれていたことがあった。
大食いでいっぱい食べる様子、フライト前に空港の本屋で、機内で読む本を買う習慣などが紹介されていて、雑誌はもう手元にないが、記事の内容を今でも思い出せる。
多方面で活躍しているので、彼女の動画やインタビューを見るのは簡単で、検索すればいっぱいでてくる。
特に好きなインタビュー記事がある。
VOGUE イネス・ド・ラ・フレサンジュ、世界の女性を魅了する不変のパリ・シック。
2015年UNIQLOコラボ4回目の頃で、全身UNIQLOを着ている。ピタピタサイズのネイビーのシャツとスリムジーンズが、ものすごくカッコよくてすぐさま真似をした。
もちろんルックスとスタイルは、イネスとワタシではかけ離れてはいるのはわかっているけれど、
ただ、服をより良く着るということは、服のステイタスでもなく、値段でもなく、その場と自分自身に馴染む服装をすること、
目立たないことが、フレンチシックの本髄なのだ、と、イネスのスタイルは、いつも雄弁に語っている。