先日、所用が終わり、19時頃、駅前をふらふら歩いていたら、「餃子の王将」が目についた。
有名な赤と黄色の看板を見たとたん、すごくお腹が空いていることに気がつく。ドラマ「孤独のグルメ」の五郎さんみたいに、「腹が減った」と立ち尽くした。
「孤独のグルメ」はすごい、と思った。意識したわけでもないのに五郎さんみたく放心状態になった。世の中には多くの五郎さんがいる、と思ったら嬉しくなった。
コロナ前は、繁華街をほっつき歩いたあげく、目についた定食屋で食べて、スタバでデザートタイムに突入するのが、お酒を飲まないわたしの気晴らしだった。
イタリアンにフレンチ、カフェ飯、決して嫌いじゃないけれど、一部の大盛りを売りにしている店をのぞいて、量的に物足りないことが多い。
若い頃は1、2軒ハシゴしたりして、カフェの常連になりたい欲望と食欲を、同時に満たしていたけれど、浪費という名の代償を払う必要があった。
今のわたしが、外食に求めるものは、1人で食べるという条件付きだけど、
①お腹が満たされること。
②味は普通で良い
③地元に根付いている
④同じ金銭感覚の人がいる店
とまぁ、そんなわけで「餃子の王将」は、1987年に大阪堺市で、初めて食事をし、そのボリュームに魅了されて以来、常連というほど通ってはいないけれど、うん10年来のファンであった。
ちょっとそれるけど、知り合いや友人と行く場合は、話は全く別事になる。なにより目の前の人が嬉しそうにする姿が、店選びの最優先事項になるから、わたしは、自分のガッツリ願望とケチケチ根性を封印する。
そういう一面をさらけ出しても、後々ロクなことにならないからだ。良く知る人じゃないと、食の本音は出さないことにしている。
「餃子の王将」店内に入ると、まず手の消毒をそくされ、店内の中ほど、ついたてに囲まれた2人席に案内された。
すでに3分の2くらい席が埋まっているけれど、広い店内で間隔を空けて座れるので居心地が良かった。
家族連れ、1人客、カップル、様々な人たちがご飯をかき込むさまが、本当に幸せそうで、繰り返される緊急事態宣言明けで、日常がとりあえずは戻った幸せを噛み締める暇もなく、
5分で、野菜炒め定食が運ばれてきた。
思ったほどボリュームはなかったけど、口にするとヤケドしそうな野菜炒めが、作り立てをアピール、看板メニューのジューシーな餃子、ミニサイズながら濃厚な杏仁豆腐、久しぶりの定食でガツガツ食べた。
女性2人客の「お腹いっぱいにならないのよね〜」と言ってる会話が聞こえ、思わず店内を見回すと、女性1人客が案外多いのに気がついた。
ある中年女性は、餃子2人前とビールを前にニンマリしていた。そっかそっか、餃子の王将に大食いの人がいるのは当たり前で、こういうのが世間の標準と思っちゃいけない、と自分を戒めたわたしであった。
参考:餃子の王将