昨日バーバリーのトレンチコートをいつも利用している街の買い取りショップに出したが、リサイクル回収することしかできない、と申し訳なさそうに言われた。
何日も何日も手放すかどうか考え抜き、ようやく決心した末の買取依頼だった。一瞬どうしてよいかわからなくなった。
このトレンチコートというかスプリングコートは、今年の8月にあるネットのサイトで8957円で買った古着である。
シャツ生地に使われるような薄手コットン100%で、無双仕立て、表地、裏地、同じ生地を使っている。
色は、薄いクリームカラー。この明るい色合いと軽い生地に違和感を感じた。
サイズはレディースの11号で、日本のレディースで言うとXLの感覚だ。170センチ60キロの大柄オンナがゆとりを持って着られるサイズ感だ。
こういうトレンチコートが、年数が古いこと、あちこちにシミや日焼けがある、という理由で街の買い取りショップでは値がつかなかった。
このコートをリサイクルゴミにするなんて間違ってる。とはいえ、家の全身鏡の前で、散々検討した結果、着慣れないクリーム色のせいで、どうしても着る決心がつかなかった。
しかも一重仕立てのバーバリースプリングコート(古着)、アクアスキュータムトレンチコート(古着)、バーバリーステンカラーコート(約30年前7万円)だって持っているではないか…
とまぁ、こういう思考回路で泣く泣く手放すことを決めたのである。似合わない、自分らしくいられないトレンチコートなんて必要ないからだ。
その日、わたしは、バーバリーブルーレーベル、ブラックチョークストライプのテーラードジャケット(古着)とユニクロUのブラックワイドパンツ姿だった。
ジャケットの下は、無印のコットンレーヨン混紡の胸開きの広いブラックインナー1枚。
そういえば、このコートを外で着たことがなかったな、と気が付いた。次の瞬間、テーラードジャケットを脱ぎトレンチコートを羽織っていた。
クリームカラーのバーバリートレンチコートの下は、ブラックのトップスとボトムスにアディダス スタンスミス。普段の自分はまずしないスタイルだ。
でも、薄手のブラックコットン系インナーとクリームカラーのスプリングコートが、スッとカラダに馴染んだ。
上下の服がシンプルだけに、一層仕立ての良さを肌感覚で感じた。たっぷりとした生地使いに、ナポレオンカラー、背面のヨークにインパーテッドプリーツ。このコートはまさしくバーバリーだ、とフツフツと喜びがカラダ全体に湧き上がりこの幸運に感謝した。