日本人はクリスマスなんか祝っちゃぁいかん、を懐かしむ

2021年12月7日火曜日

雑記



昨日起きて住居がある敷地内をぐるりと散歩したら、薄茶色のフワフワした羽が散乱しているのに気がついた。不思議に思って、見渡すと半分になったボディがあった。

カラスかネコだ。いつもは、見えてない、知らないだけで、これも自然の摂理なのだ、と思い、気を取り直そうとしたけど、後味が悪くてこのままじゃ何も手がつかない気がした。

家に仏壇はないし、母の遺影の前でさえしたこともないというのに、名もなき小鳥に線香を1本灯した。

100均の線香から馴染み深い香りがした。細長い深緑の軸からゆらゆら揺れる煙を纏いながら、「鳥さん成仏してください、母さん元気ですか?」と、母にも話しかけた。

結局、家族や親しい人達がこの世から消えると、淋しいのは生きている私達だ。それとも死者の魂にも孤独感はあるのだろうか。

と……、お葬式や供養は、生きている人のためにあるのだ、と今更ながら気が付いた。


昭和8年生まれの父さんは、「日本人はクリスマスなんか祝っちゃぁいかん」と、毎年クリスマスになると、決まったように口にした。

そんな父さんを横目に、母さんは毎年骨つきチキンを焼き、ケーキを買った。全く宗教色のない子供のためのクリスマスだった。

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