先日 友達とようやく会えた。20年来の付き合いだ。バイト先で、このひといつも同じような服着てる、と興味を持ったのがはじまりだ。
よく観察してると、目立たないけど透明で特別な雰囲気を放っていて、このひとと友達になりたい、と思ったのだった。
打ち解けるにつれ、
- 決まったブランドのブラックセーターとブラックパンツを、定期的に買い替える。
- トゥモローランド、AP STUDIO、ユニクロメリノウールセーター、
- 肩幅を感じない広めの胸空きと、腰周りが目立たないAライントップス。
- 毛玉が出来たりスレたりしたら、容赦なく捨てるか、古着屋に売る。
- おそらく無意識に、同じ傾向のアイテムを買い替える。
- アンクル丈のテーパードブラックウールパンツ
- バレエシューズ。
- 知り合った20代後半の頃から40代になるまで、マイナーチェンジしつつ同じスタイル。
ということを次第に知るようになった。
20代のときから自分のスタイルがあるとはかなりの頑固者、面白いと思った。
若い頃はあれこれ着たあげく次第に似合うモノがわかり始め、中年以降一定のスタイルに落ち着くというパターンは一般的だけど、
このおひとは、20代から40代の今まで、ワンパターンスタイルを貫き通しているのだ。ちなみに、夏場は、ブラックセーターがホワイトの襟なしブラウスに変わり、ブラックウールパンツは、サマーウールまたはウールライクになる。
最近は、同じく黒ずくめのわたしと好対象になるように、と本人いわく、ベージュのセーターを着ていた。
あれこれ服を持たずパターンを決める、というアイディアはわざわざ言葉にするまでもなく、スティーブ・ジョブズや多くの有名人だけでなく昔から多くの人々がやっている。
それでも、毎日着替えなくても同じ服を着ても良いと、改めて言われると随分気が楽になったものだった。
話がそれた。
とにかく、この人は、おそらく本能的に、自分の服を20代から決めている。
アンクル丈のブラックテーパードパンツ、スッキリとした首筋を強調するVネックのブラックセーター姿が、自分をいかす、とわかっている。
ブラック一色なのに重苦しさがない。ネイビーだと錯覚させる。
真っ白な肌にうっすらとファンデーションを塗り、眉を少し描きたぶんマスカラ、メンソレータムリップ。真っ白な首筋と足首。
ノーアクセサリー。彼女みたいな人は珍しいけれど、好きなパターンを確立しているひとは、見てすぐわかるから、そういう人たちをただただ……眺めるのが好きなのです。