わたし、オンナ、はフレアジーンズ好きだけど、たぶんそれは、初めて見たジーンズがフレアジーンズだったからだ。
その時のことは割とはっきり覚えていて、ある時バス停でバスを待っていたら、裾のほつれたベルボトムジーンズを履いた長髪の若い男性がやってきて、ほ〜ぅこれがおばあちゃんが言っていたジーンズだ、と思った。
1970年代前半の頃で10才ぐらいだった。当時おばあちゃんの家のお茶の間で、なんとなく聞き流していたジーンズの話、あそこの長髪の若い男がジーンズ履いて……という噂話は、こういうのだな、と感心した。
当時アメリカ発ヒッピーファッションの影響を受け、日本でも若者を中心にベルボトムジーンズに長髪のスタイルが流行していたのだった。
それを見た一部の年配者は、男のくせに髪を伸ばして、裾のほつれたラッパズボンなんか履いてみっともない……と眉をひそめた。
今フレアジーンズというと、女性が多く履いてるけれど、1970年代にわたしが初めて見たジーンズは、長髪の若い男性のフレアジーンズ姿が原点だ。
参考:ELLE
1970年代の映画、ドラマを見ても俳優の服装は、フレアジーンズはもちろん、スーツやスラックスの裾はフレア気味が多い。
そんなに映画を見てないので、たくさんは語れないけれど、1970年代のアラン・ドロン のスラックスやスーツ姿もフレア気味だった。
周囲に溶け込むようなシャツにスラックス、スーツ姿がうっとりするほど自然で、今でも、わたしはオンナだけど、アラン・ドロン の、服を自身の背景のように着こなす感じ、が大好きでこういう風に服を着たいといつも願っている。
自分自身がジーンズを初めて履いたのは、1970年代後半から80年代 にかけて18才くらいだった。でもどんなジーンズか覚えていない。
フレアジーンズではなかった。ラングラーやボブソンのメンズスリムジーンズあたりだった。
レディースジーンズも履いた。ヒップをすっぽり包み込む深い股上でゆとりのあるテーパードだった。雰囲気は、ユニクロUのワイドフィットテーパードジーンズに似ている。
とにかく、それを履くとわたしの垂れた大きいヒップは強調され、バックスタイルは見ていられないくらい「みっともない」ものだったらしい。
複数の友達、母親が言っていたから間違いない。でもわたしはお構いなしに履き続けた。後ろは自分では見えなかったし、前からみたスタイルが気に入っていたからだ。
でもある時、リーバイス501を履いたら、股上が浅めで直線的なヒップラインになるのに気がついた。以来、わたしはメンズの直線的なラインを好むようになった。
フレアジーンズは例外だ。2000年代に履いていたリーバイスのレディースフレアジーンズは、腰回り、腿とピッタリして膝下からフレアになっていた。
ヒップと膝上までがピッタリしていて、膝下から裾が広がるフレアジーンズは、下半身コンプレックスを忘れさせドラマチックな雰囲気もあったから大好きだった。40代前半のころだ。
ところが、2008年に偶然GAPでメンズブーツカットジーンズを見つけ、履いてみたら、レディースのフレアジーンズと違って、裾に向かって控えめに広がるストレートに近い感じで、そのさりげなさが気に入った。
10年近く履き続け、太ってサイズが合わなくなり再び同じブーツカットジーンズを求めてGAPに行ったらテーパード中心のラインナップに様変わりしていた。ストレートはあったもののブーツカットはどこにもなかった。
最近気がついたが、GAP USAのオンラインショップには、今でもメンズブーツカットジーンズがあった。どうして日本でブーツカットジーンズの販売をやめてしまったのだろう?残念で仕方がない。10年履いてその素晴らしさが忘れられないからだ。