久しぶりに先生とランチをすることになった。
悩ましいのは何を着て行く?ということだ。どこに行くにせよ出かける時は、普通はボトムスを最初に決め、ほぼジーンズ、最近は、ユニクロメンズスキニージーンズ、
次に上に着るものを考える。今の季節なら
ユニクロJW ANDERSONか、ユニクロレギュラーラインのオックスフォードシャツ、ブルーかホワイト、
シャツ以外なら
ユニクロメリノウールセーターかGAPのコットンセーターあたり、たったこれだけなのに決められない。
今イチ気分の時はブルージーンズとブルーシャツで精神の統一をはかり、
ノリノリの時は、イエロー、レッド、ブラウン、ホワイト、ベージュ、ライトブルー、ネイビー、ブラック、ダークグレー……カラーと素材、スニーカー、を天秤にかけ、イライラ、ワクワク……10分くらい妄想する。
完全にマイワールド、昔も今も一番好きなゲームで、時に大きなストレス源。
10年ぶりにお会いする先生となるとそうはいかない。スニーカーにジーンズだって問題はないだろうが、ジーンズやチノパンを履くカジュアルスタイルの先生を想像できない。
贅肉の見当たらないしっかりした美しい骨格にシックな柄物のブラック系のワンピース、胸元には、一点物のブローチ、足元はローヒールのパンプス。
覚えてる限り記憶の中の先生はこういうスタイルだった。
年代は70代、豊かな黒髪は首元でパッツンと揃い、内巻きにカールされている。こういう女性と久しぶりにお会いするのに、
ジーンズ、シャツ、スニーカーでは場違いなのである。マイワールドは封印しなくっちゃいけない。
幸運なことに、ウルトラ心配症のわたしは日頃から頭んなかであれこれ着替えている。
ジーンズとシャツ、日常の延長線上に、冠婚葬祭、突発的お食事会、同窓会などがあるのだ。これまでだってそうだった。
2011年母、2020年父の葬儀に、納得のいくブラックフォーマルでなかったことを、少々悔やんでいる。
ジーンズとシャツの日々に、心づもりをしておかなかったら、
カラダとココロに馴染まないドレスとブラックフォーマルでとてもショボいことになる、と経験上知っている
ともあれ、今回のテーマは、久しぶりにお会いする喜びが伝わる服装ということになる。
急きょ、クローゼットの中を見渡し、着たり脱いだりした結果、
バーバリーブルーレーベルのウールブラックジャケットといつものユニクロメンズスキニージーンズを着ようと思った。ボトムスが馴染んでると上手くいくからだ。
ショボい………。
母のアクセサリーで一番派手なこれ、KENZOをつけることにした。
一気に非日常になった!
ブラックジャケットばかり、5着、Yohji Yamamoto +NOIR、ドルチェ&ガッバーナ、ユナイテッドアローズプライベートブランド2着、そして今回のバーバリーブルーレーベル。ほとんど古着。
ジルサンダーウールワイドパンツ古着、ユニクロUのコットンワイドパンツ、
ユニクロレーヨンホワイトスキッパーシャツ、ユニクロイネス・ド・ラ・フレサンジュのレーヨンブラウス、
ユニクロブラックコットンブロードシャツ、ユニクロホワイトメンズドレスシャツ、
などを、数年かけ、いかようにも組み合わせられるようにスタンバイしていた。服の強迫症というか心配症だって捨てたもんじゃなかった。ちょっと嬉しい。