〇50周年記念展、ピンクハウスは媚びた仕草が最も似合わないパンクな服だった

2022年10月28日金曜日

スタイル 昭和 平成

ピンクハウス50周年記念展が、9月30日から10月9日まで、東京代官山で開催された。わたし自身は、ブランドの好き嫌い以前に、似合いそうもない、と長らく決めつけてた。


ただ、1960年代生まれで、80年代のDCブランドを覚えている者としては、COMME des GARÇON、Yohji Yamamotoのブラック一色のアバンギャルドなパワー炸裂のなか、ピンクハウスは特異な存在だった、と記憶している。

フリル、ピンタック、コサージュ、プリント、リボン、刺繍の多用、緻密な作業と計算されたパターンで構築される、赤やピンクのワンピース、ブラウス、スカート、ペチコートの織りなす耽美的な世界にギョッとしたり、魅せられたりした。

着る着ない、買う買わない、は別にして、ピンクハウスと聞くと、当時、少しでも服が好きな人なら、あのパワフルなガーリー過ぎる世界感をすぐ思い浮かべた。



かくいうわたしも、COMME des GARÇONやYohji Yamamotoに惹かれ、影響されつつも、普遍的なメルヘン願望を呼び起こしてくれるピンクハウスというブランドが嫌いじゃなかった。

ただ、今回、展覧会に行って、気づかされたことだけど、

ピンクハウスの服を着る、ということは、大人の女性が凝ったガーリー過ぎる服を着る、ということではないのだ、と思った。

あえて、ジャンパー、ジャケット、パーカーなどメンズ的なアイテムと共に、幾重にも重ね、そのガーリー性やメルヘン性を際立たせる手法を当時から提案していた。

ピンクハウスの服はその多くはコットンで作られている。日常にメルヘンを着る、自分の中のガーリー性を抑えつけず、解放する様に作られてるのだ、と感じた。

たぶん、ピンクハウスの服は、媚びた仕草が最も似合わない服だ。自分の中の夢見る部分やガーリー性を肯定する強い気持ちと佇まいを身につけた人が、似つかわしい服なのだ。

骨っぽい骨格の人、バサバサ大股歩きの人、パワフルな老女、がピンクハウスを着ると、途方もなく威力を発揮する服……あくまで個人の主観。欲しいなぁ、近々、ピンクハウスの店舗に行ってみようかな…。



参考:ピンクハウスHP

装苑




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