2023年、今年こそ迷いのない人生を、の願いも虚しく、ユニクロのメンズダッフルコートが取り付いて離れなくなった。いったんは諦めたはずなのにやはり欲しい。
すでに持っている45Rのフードなしダッフルコート、定価購入、約9万円。2020年末コロナ禍で、ウルトラ衝動買いしたことを1ミリも後悔してない。
45Rはこれが初めてだった。実を言うと、45Rが特別好きというわけではない。シーズンごとのショーウィンドウを見てもあまり惹かれない。わたしにはちょっと泥臭い。もっと非日常のコーディネートが好きだ。
しかし45Rダッフルコートを着て3年目。着るほどに、このブランドの生地、コットンフランネル100%、と着心地、デザインの良さをカラダ全体で感じることになる。
派手なディテールとデザインとは距離を置き、万人に似合うように作られている。
わたしのような骨盤の張った体型も、オトコもオンナも、スラリとした体型の人も、そうでない人も、その人自身でいられるデザイン。当然だ。世代を越え100年着るよう設計されている。
トータルコーディネートをたぶん想定してない。45Rのショーウィンドウが、好みじゃないとしても関係ない。
ここ5、6年で、気がついたら、セーターやシャツ、ジーンズの多くがユニクロ製品になった。ユニクロばかり買ってカッコ悪い、という根拠のない思いに、新年早々囚われた。
すると、そんな悩みとは、真逆の経過を考察するコラムを見つけた。もっとも、昼田祥子さんというファッションエディターが書かれたものだから、わたしのような単なる服好きとは違う次元の内容だ。
トレンド好きのはずが、断捨離したら「全身ユニクロ」になった話【断捨離エディター体験記】
両親がたまたまメルカリをしていたことをキッカケに、服を断捨離したお話である。すると、意外にも、オールユニクロのコーディネートが気に入った、という結末だ。講談社のウェブマガジン、ミモレの連載。
率直に、自分の好きな服とは何か、おしゃれとは、スタイルとは、と注意深く観察していてすごーく惹きつけられた。
講談社のミモレには、大草直子さん、光野桃さんなど、有名無名のファッションエディター、ライター、ブロガーが数多く参加している。
年代、スタイルがバラエティに富んでるから、自分に近いスタイルを持ったコラムニストがきっと見つかる。
かと思ったら、繊維業界記者でライターの南充浩さんのユニクロとブランドについて論じた記事を見つけた。
Mitsuhiro Minami OFFICIAL BLOG
こちらはかつてハイブランドを除き、百貨店やファッションビルブランドを中心に着たけれど、2005年あたりから、これらブランドのクオリティの低下が目立つようになった、この頃はユニクロでそこそこ満足なコーディネートができている、とおっしゃっている。
そこには、セール価格を含む値段と満足度の密接な関係があり、そのあたりの考察がとても鋭い。
さて、新年から1ヶ月も過ぎてるのに、わたしは、まだユニクロのダッフルコートを買えないでいる。クスン……自分の決断力のなさにウンザリだ!