最近、ユニクロとその他ブランド服の、棲み分け基準が揺らぎ始めた。きっかけは、ユニクロの2022メンズダッフルコート、12900円→4990円の購入だった。
2020年にもわたしはダッフルコートを買っている。45Rのコートで9万円だった。この冬で3シーズン目、自身の肩幅とぴたりと合う肩の線、控えめなAライン、一見ウールのようにも見える厚手コットンフランネル100%の肌触りの良さ、ダッフルコートが、年々わたしのカラダに馴染んでいるのが実感できた。
ところが、去年の暮れ、売れ残ったユニクロのメンズダッフルコートが、セール価格4990円でラックにかかっているのを見つけたら、今着ている45Rダッフルコートと着比べたい、と強い衝動に突き動かされ、迷った挙げ句、Lサイズを買ってしまった。
素材は、ポリエステル67%毛33%、わたしが着ると膝より少し上の丈、Aライン、フード付きのオーソドックスなダッフルコートだ。
記録的な暖冬で1月の購入後、思ったほど着た日は多くないけれど、このコートは当たり、と思った。
何を持って服が当たり、とするかは、当たりまえだけど絶対的な基準はない。あるのは、体型とコートの相性、生地の感触、着た時の高揚感などから導きだされた個人の総合点だ。
もちろん、ここにダッフルコートを着たわたしが外の世界でどう見えるか、という本質的な問いも加わる。
そういう諸々を踏まえて、ユニクロダッフルコートは、45Rのダッフルコート同様、当たりのコートになった。
ところで、わたしには、ユニクロのコートを買って失敗した過去がある。2015ユニクロ アンド ルメールのトレンチコートと2017ユニクロ×JWアンダーソン、タータンチェックとオレンジベージュ、リパーシブルのトレンチコートだ。
その頃の記録は、旧ブログに詳しい。
https://mmmotoko.exblog.jp/i23/2/
いずれもたぶん数回から10回程度着た後、無表情なボタンや、マッキントッシュゴム引きコート様の生地が馴染まず処分した。
以来、ユニクロで買うアイテムは、メリノウールセーター、メンズオックスフォードシャツ、ジーンズが中心になった。
だから、この冬にユニクロダッフルコートを買ったときは不安だったし、何度も着て歩いて、当たり、だと思ったときはなおさら心配になった。
ユニクロというバイアスが、かかり過ぎている。存在が大きいから、ユニクロの服を前にして、他のブランド服のように、単なる選択肢のひとつとして見ることができない。
例えば、セーターを買おうと思ったとき、わたしはまずユニクロ店舗に行き探す。お目当てのモノがない場合、無印良品で探す、それでもない場合GAPに行く。値段が安い順番だ。
ユニクロ、無印良品、GAP、で見つからない時、待てばいずれ買えるかな、と考える。気に入ったものがないからといって、その他のブランドを探しに行ったりはしないのだ。
セーターやシャツに流行を求めないわたしは、ベーシックなモノが欲しい、となると、ユニクロ、無印、GAP以外のブランドで、納得のいくモノは倍以上の予算が必要だ。最初から選択肢に入ってない。
いつにまにか、ユニクロの服はクローゼットの中心に食い込む存在になった。ちょっとこわい。
今回を持って、ユニクロというブランドパワーがわたしの服に与える影響について、考えこむのを、笑、終える。
結論は出なかったけれど、おかげで、気持ちの区切りのようなものがついた。わたしは、ユニクロだろうが、バーバリートレンチコートだろうが、45Rにしても、これからも気に入った服だけを着続けるということだ。たぶん今までよりも、もっと大事にユニクロを着ると思う。