起きて顔を洗い、リネンシャツとホワイトジーンズを着ようとした。シャツもジーンズも無印、どちらもかなり着古している。
そのリネンシャツの下にキャミソールを着ようとして、ふと着る必要あるのかな、と疑問が湧いた。
そこで、素肌にシャツを着てカーディガンを羽織った。その日は18度くらいだった。素肌にリネンシャツ一枚ではまだ寒い。
実は、素肌にシャツは、これまでも試みたことがある。
毎年のように真夏になると、キャミソールなしでシャツを着たくなるからだ。でも必ず、やっぱキャミソール着てくればよかった、と後悔し、結局次の日にはキャミ+シャツにもどってしまう。
下腹がシャツ一枚ではスースーする。薄ら寒いし心もとない。それなのに、今年も直接シャツを着たい衝動に駆られる。
こういう心境になるのには訳がある。
映画やドラマの影響だ。ブロードやオックスフォードのシャツのような襟付きシャツを着た登場人物の多くは素肌に直接着ている。
アメリカのドラマ映画ではときたま、スーツ姿でもシャツの下に白Tシャツが見られる。ヨーロッパのドラマ映画は、素肌に直接がほとんどだ。
ここまでは、男性のシャツのことを考えた。
女性はもっと複雑だ。
例えば、オックスフォード生地より薄手のレギュラーカラーのブロードシャツで、下に着るモノを考えてみる。
①ブラジャー一体型のカップ入りインナー+シャツ
②ブラジャー+キャミソールまたはタンクトップ+シャツ
わたしはこのタイプ。
③ブラジャー+シャツ。
毎年試みては挫折。
④ノーブラ、キャミソールまたはタンクトップ+シャツ、
厚手のオックスフォードシャツのときはこのパターンが多い。
⑤ノーブラ、素肌にシャツ
究極の憧れ。薄手のブロードシャツでやる自信は今のところなし。
この5つのパターンが考えられる。多いと思われる順番で書いた。
女性も、下着なしはヨーロッパ映画やドラマに多い気がする。シャツに対する考え方が違うのだ。
Tシャツは、第一次大戦中ヨーロッパ兵が、綿素材のアンダーウエアを着ていて、アメリカ海軍で採用され、Tシャツの原型が作られた、とされる。
一方襟付きシャツは、古代ローマの襟なしワンピースのようなチュニックが原型とされ、シャーロック・ホームズも活躍した19世紀になると、上衣のフロックコート、長ズボン、ジレ、下に着るシャツのスタイル、現代の礼装に近い形が定着した。Tシャツも襟付きシャツも、元々は下着だ。
そういう歴史を鑑みると、わたしも素肌にシャツ着たい、という思考回路になるのだ。いっぽう、日本では、高温多湿の気候のもと、素肌にシャツを着た際に汗じみになりやすい。シャツ生地の透け感も歓迎されない。
もっともあえて透ける生地のブラウスやシャツを着るのは別ごとだ。わたしなどは、無印の洗いざらしのシャツも、透明感のあるブロード生地が好みである。
:LEON