●90年代、あのシマロンストレッチジーンズから 現代のスキニージーンズまで振り返る

2023年5月26日金曜日

ジーンズ スキニーとスリムジーンズ スタイル ユニクロ

 服の選択は、思い込みが激しいと損をする、と最近思い知った。

1990年代後半30代のころ、ストレッチの効いたブーツカットパンツに出会った。その頃、シマロンのストレッチパンツが流行っていてまだスキニーという言葉はなかった。

わたしは、丸井のプレイベートブランド、アールユーのストレッチパンツをよく履いていた。

シマロンのストレッチパンツは丸井のよりストレッチ力が強くて、履くと一段と足が引き締まって見えた。

でも1万5千円くらいしたので、8千円程度のアールユーのストレッチパンツと並行して履いていた。まだユニクロの3990円のジーンズがない時代だ。

確か、モデルのケイト・モスだったと思うが、スキニージーンズの愛用者である彼女はかつて、わたしは足が短い、でもスキニージーンズを履くと長く見える、だから好きだ、みたいなことを言っていた。

その記事を読んだわたしは、そんなものかな、くらいの認識しかなかったけれど、今思うと、その通り、と思わずにはいられない。

同じ長さの足でも、ストレッチなしの足より、ストレッチを効かした足のほうが、スッキリするし足も長く見える。

加えて、膝下が短いわたしは、その頃は、スリムと並んで容易に手に入ったブーツカットのストレッチパンツで、コンプレックス解消+足長効果をエンジョイしていた。

脚にぴったり寄り添うスリムより、裾は広がっていたほうが、当然膝下の短さはカバーできる。

そんなわけで、1997年当時のわたしは、シマロンと丸井のプライベートブランドのストレッチブーツカットパンツは欠かせなかった。

ボトムスを決めてしまえば、トップスはずっと簡単だ。ぴったりした白のコットンシャツ、レギュラーカラーの普通のシャツ、フェリシモが、大好きだった。

そのシャツと前述のストレッチブーツカットパンツ+ブラックの5センチヒールのサボは、自分自身に自信をもつきっかけを作った。

いびつな体と容姿でも、着る服次第ですごくイメージが変わることを実感した時代だった。

その頃から、わたしは、似合う、と確信したアイテムを、繰り返し繰り返し体と一体となるまで着こむ習慣を持つようになった。

その代わり、それまで履いていたリーバイス501を着るのが怖くなった。ありのままに見えるジーンズとペタンコスニーカーに恐怖を感じたのだ。

時は移り変わり、ブーツカットはいつのまにか店頭から消えた。テーパード全盛の時代にあっても、わたしの裾広がりパンツ信仰は続いた。

でも、サイズが変わって、いつのまにか当時のブーツカットのストレッチパンツはおろか、リーバイスのフレアジーンズも履けなくなった。

2019年、UNIQLO and JW ANDERSONのベルボトムジーンズを発見し、ユニクロ定番のレディースラインで、安価でサイズの豊富なフレア系ジーンズが手に入ることを知った。

2019年から今まで、一体何本のフレアー系ジーンズを買ったのだろう?

UNIQLO and JW ANDERSONベルボトムジーンズ2本、ユニクロレディースフレアジーンズ2本、ジーユーレディースベルボトムジーンズ1本、Leeメンズベルボトムジーンズ2本、ユニクロレディースバギージーンズ2本、ユニクロUレディースジーンズ1本......



たぶん10本以上は買った。

ユニクロのおかげで、サイズの変わったわたしでも履けるフレア系ジーンズが安価で容易に手に入るようになり、フレアジーンズへの盲信は続いた。

そこへ、昨今のまさかのユニクロメンズスキニージーンズデビューである。わたしにとって1990年代以来の転換期になった。

時は2023年、スキニージーンズを履いた私の脚は、もう長く見えない。足元は、スタンスミスのホワイトスニーカー、ということは、足首でプツリと視線が分断され、ここまでが脚ですよ、ということが明確になる。

加えて、骨盤もスキニーで強調されるから、メンズスキニーで、ほどよく引き締まった下半身は作られるものの、私はもう1990年代後半のような高揚感は感じない。

でも、ここからここまでが私の脚ですよ、これが私の体形なんです、という開き直りのような態度でいられるのが嬉しいのだ。

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