「シャネル(CHANEL)」のアーティスティック ディレクターを務めるヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)が、同職を退任すると複数の海外メディアが報じた。
2019年、1983年から2018年まで「シャネル」を率いたカール・ラガーフェルドが亡くなった。その後任がヴィルジニー・ヴィアールだった。
1987年、カール・ラガーフェルドは、シャネルのインターンを希望したヴィルジニー・ヴィアールを採用した。いらい2人は、1987年から2018年まで「シャネル」を支え続けた。
*1992〜1997年、ヴィアールとラガーフェルドは共に「クロエ」で働いたのち、2000年に2人でシャネルに戻る。
1962年生まれのヴィルジニー・ヴィアールは、わたしと同年代のひとだ。彼女になってから「シャネル」の雰囲気が変わった。
実は、カール・ラガーフェルド時代、特に近年の「シャネル」に興味が持てなかった。若さと斬新さが強調され過ぎてる気がして世界感に入り込めなかった。
「シャネル」を買うことができるお金持ちの中年と老年世代を置いてきぼりにしている、と思っていた。
でも、今さらのように、彼の「シャネル」時代を振り返った記事を見て、常に、時代を反映した自由自在な創作が、凄すぎる、と気が付いた。
VOGUE/カール・ラガーフェルドが送り出した、シャネルのベスト・ランウェイ・ビューティー10
しかし、2019年から、ヴィルジニー・ヴィアールが指揮をとるようになると、ココ・シャネルを象徴するツイードジャケット、カメリアの花、リトルブラックドレスなどを、現代に置き換えるやり方ひとつとっても、
彼女自身の個性を前面に押し出すより、創設者のココ・シャネルが大事にしたこと、女性の動きを邪魔せず、余計な装飾を省いたシンプルとエレガントの両立、を現代に置き換えたデザインのやり方に共感できた。
2024 2025年秋冬はとても好きだ。
1912年にガブリエル・シャネルが最初に帽子店を構えた海辺のリゾート地、ドーヴィルのイメージを再現した舞台で、大きなツバの帽子と服のバランスが夢のように美しくて、しかも2024年的だった。ショーのオープニングで、パリとドーヴィルが舞台の1966年フランス映画「男と女」のオマージュとして短編映画を上映したそうだ。ペネロペ・クルスとブラッド・ピットが恋人役を演じている。
1966年の映画「男と女」に主演したアヌーク・エーメはガブリエル・シャネルの友人だった。しかも、映画に登場するシャネルのバッグは彼女の私物なのだ。
オマージュ版でもアイコンバッグが小道具として効いている。うっとりする。本音を言えば、ペネロペ・クルスとブラッド・ピットは、少しだけ違和感を感じるけれど。
参考サイト