ずーっと家にこもっていた反動で、朝起きたら、旅がしたくて、いてもたってもいられなくなった。その衝動をしずめようと東京ー土浦の日帰り旅をした。
関東6県で唯一イメージが湧かない県が茨城県。車で通ったり偶然立ち寄ったりしたことはあるに違いないが、思い出せない。
茨城県と言っても広い。出来るだけ近場で、自然が身近に感じられそうな場所、品川駅から上野東京ラインの各駅停車でも約90分でいける土浦に行った。
昼近くにぐうたら家を出て、品川駅から11時35分発、上野東京ライン(常磐線直通)土浦行きに飛び乗った。コーヒー党だけど、朝からコーヒーがぶ飲みしたのでやや退屈なルイボスティー、流行ってる?
ガラガラの車内で「塚田農場、宮崎名物弁当」を食べる。ひたすらヌボーッと90分。
13時3分、土浦駅に到着!
改札を出ると
右手にスタイリッシュなカフェがあって、覗きに行った。
そのまま通路を通り過ぎ、構内の観光案内所でガイドブックを頂いた。おかげでほっつき歩いても方角を見失うこともなかった。老眼にも優しいとてもわかりやすいマップ付き。
霞ヶ浦方面の東口に出る。徒歩で霞ヶ浦の湖面まで行きたい場合、目の前の港町目指して歩けば簡単に湖面に出られるらしい…
無計画なわたしは駅を背に左手に歩く。観光船に乗るつもりだった。でも心変わりした。ひたすら真っ直ぐ歩き、
右手に見えてきたファミマコーヒーで休憩しつつ、
天王橋を渡り、ここまで大体1Km弱、右手、川のような湖面をひたすらテクテク歩く。
なんとか霞ヶ浦の雄大さを感じられる辺りまで行けた。観光客は見渡す限りわたしだけ。
このまま1周なんてもちろんできない。なんと言っても、琵琶湖についで日本で2番目に大きい霞ヶ浦なのだ。
駅に引き返す。薄曇りで、すでに夕方、雲から差し込む光と湖面を見るとほーっとする。
土浦駅に戻った。駅構内を通って再び西口から出発する。
江戸時代の街並みや昭和が色濃く残る街をダラダラ歩く。
土浦城趾のある亀城公園に行った。駅西口から徒歩で15分くらい。
亀城公園から5、600メートルの1607年創建の東光寺は、こじんまりとしたお寺だった。
まちかど蔵のある通り。
夕方になり腹が減ったので、老舗の中華屋、福来軒でチェッペリンカレーを食べる。中華屋でカレーを食べるのは人生初だ。
この店のチェッペリンカレーは、コロッケ付きとメンチカツ付きの2種類。頼んだのはコロッケ付き。揚げたてで、かじると、とろ〜りカレーが口いっぱい広がる。
チェッペリンカレーとは
1929年(昭和4)ドイツの巨大飛行船「ツェッペリン伯号」が世界一周の途中で、霞ケ浦飛行場に着陸した際、人々の大歓迎を受けたそうな。その際、地元産のじゃがいもを使った現地カレーを乗組員にふるまった。
という曰く付きのカレーにちなみ、地元産の食材レンコンなどを使った土浦名物のカレーが作られた。浪漫を感じるわ。
そんな由緒正しいカレーで満ち足りた腹を抱えたまま、上野東京ライン各停で揺られること再び約90分、20時14分品川駅に到着。かかった総費用は、約5000円、素晴らしい。
旅のデータ
行き/11時35分品川発、上野東京ライン(常磐線直通)、各停、土浦行き、13時3分着。
帰り/18時49分土浦発、上野東京ライン、各停、品川駅20時14分到着。
行程/土浦駅東口→霞ヶ浦→ 土浦駅西口→亀城公園、東光寺、歴史の小径、まちかど蔵。
費用
品川ー土浦間、1342円×2=2684円。
飲食代/弁当約1000円、ファミマコーヒー140円、チェッペリンカレー大盛り900円、帰りの車中、ブラックサンダー118円、缶コーヒークラフトBOSS、500ml98円=2256円。
合計/4940円
あとがき
平日の昼下がりとはいえ、霞ヶ浦周辺や市街地に、人が非常に少ないのが気になった。そもそも土浦駅前は、かつて、西友、京成百貨店、小網屋(百貨店)、丸井、イトーヨーカドーなどの大型ショッピング施設や映画館などが建ち並び、非常に活気のある街だった、らしい。
しかし昭和、平成と時代が目まぐるしく移り変わるなか、郊外型ショッピングセンターがオープン、人の流れも大きく変化、駅前商業施設が次々と撤退しはじめる。
加えて、1960年代より国家プロジェクトとして筑波学園研究都市が徐々に完成し、つくばエクスプレスが2005年に開業していく過程で、隣接する土浦市はかつての活気を失っていく。
一方、土浦の歴史は、縄文時代の上高津貝塚遺跡までさかのぼることができる。室町時代に起源を持つ土浦城の城下町として発展し、江戸時代は、江戸と水戸を結ぶ水戸街道ができ、霞ヶ浦、利根川、江戸湾に至る水路交通の中心でもあった。
昭和初期には、土浦海軍航空隊の基地ができ海軍の街として賑わう、その頃から、海軍食としてカレーを食べるようになった、らしい。
先に述べた、大型飛行船ツェッペリン伯号の乗組員にもカレーが振る舞われ、チェッペリンカレーの起源となるのである。
とまぁ、にわか勉強では書き尽くせないほどの古い歴史と色々な顔を持つ街、ぜひ又行きたく思う。
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