どうでもいいことだけど、ユニクロのダッフルコートを買った日、無印のベレー帽も買った。
無印ベレー帽は2022秋の新製品だった。去年のいつ頃だったか、商品棚にグレーとベージュのベレー帽がまるでお饅頭みたく、並んでいたから思わず手に取った。
ウール100%、鏡の前でかぶったら結構イケた。かわいい……。語彙が貧弱なくせに何にでもカワイイと言うのが嫌いな私、やっぱりカワイイ。
ただし、価格は3990円、この佇まいで3990円は高いとは思わなかった。ブランドモノの同じような品質のベレー帽だと、4000円じゃ買えないだろうと………。
しかし、ドケチライフが身につきつつある昨今、定価で服を買う機会が減った。たぶん最後に定価で服を買ったのは、2020年末、45Rのダッフルコートである。まるっきりの衝動買い。
参考記事:https://aredore7.blogspot.com/2023/01/45r.html
試着したとたん、天の声が聞こえたからだ。こういう場合は、迷わないですむから気が楽だった。
このベレー帽に、そこまでの吸引力はなかった。コートはおよそ9万円、ベレーは3990円、値段の問題じゃない。年は変わり2023年、ベレー帽は、4000円→1990円になっていた。
前回までのブログで、ユニクロダッフルコート12900円→4990円、購入に至るまでの葛藤を書いたけど、同時進行でこの無印ベレー帽も購入を迷っていた。
ベレー帽を買う強い動機となったのは、2023年2月16日現在、Amazonプライム会員ならば無料で観られる、映画「ロンドン、人生はじめます2017英」だった。70歳越えのダイアン・キートン主演のラブコメディーだ。
グレーのベレー帽、ブラウンのセルフレームメガネ、ブラックのスーツ、ショートブーツ、ロングスカーフなど、出世作の「アニー・ホール」以来の時代を超越したダイアン・キートンのセンスが、際立っていた。
シャツ、セーター、ジャケット、スカーフ、どんどん上に重ねていくレイヤースタイルがとても自然で………このところ影響されっぱなしなのだ。
トラッドベースに、好きな小物を盛る、服を着倒す感じ、このバランス感覚に参ってしまった。
そこへ、無印ベレー帽の4990円→1990円のセール、すぐに店舗に再びかぶりに行ったけれど、映画のダイアン・キートンのベレー帽とカタチが違う。
平べったい無印ベレー帽に対して、ダイアンのは、上部にボリュームのあるミリタリーベレーのようなカタチをしている。
ダイアン・キートンの私服画像を見ても大体このカタチだ。一見、ボリュームのない無印ベレー帽の方がバランスが良さそうだが、
実際にかぶってみると、エラの張ったベース型のお顔であるわたしには、上部にボリュームのあるタイプがスッキリ見える。
裏返してかぶるとダイアンと同じようなカタチになって具合が良い、裏返してかぶるべきか、そのままかぶるべきか、今回はあきらめるべきか、
ユニクロダッフルコート同様に、購入まで何度も店舗に足を運ぶハメになった。結局、ダッフルコートとベレー帽、同日に手に入れた。
でも裏返してかぶると、生地が毛羽立っているので具合良くない。結局そのまま素直に耳をだしつつ、少し斜めに傾けてかぶり、ブラウンのユニクロダッフルコートとペアで外出してみた。
悪くない。つまり、ベージュのベレー帽、ブラウンのダッフルコート、ベージュのストール、ネイビージーンズ、ブラックのスタンスミススニーカー、これら身につけてるモノ全体で
私というボディの額縁みたいになり、悪くはないのだ。この悪くはない、というのがポイントだ。
そりゃあ、アップで自身を鏡に映すと、ベレー帽から白髪がはみ出てるし、真新しいウールのベレー帽に密着している額の深いシワ、よれた首筋、ツッコミどころは満載である。
若い頃のように、これで大丈夫、と思えることはなくなった。悪くない、が重要だ、と最近のダイアン・キートンを見てつくづく思った。
とにかく、ダイアン・キートンが、身につけてる服や小物のなかに、まるで自分自身の延長みたいに包まってる感じが最高で、
歳をとるのが怖くなくなる、とまではいかなくても……笑、若い、と言われる必要はないと思えるのがステキだ。